農村と郊外のあいだに小さく暮らすための家

House 2022

敷地は都心から1時間半ほどの郊外周縁 、田園風景が広がる町。

都内で小さく住むか、郊外で大きく住むかの2択ではなく、あえて「郊外に小さく暮らす」ことが家族の豊かさ につながると考え、4人家族のためのミニマルな家を設計した。

駅から徒歩7分の住宅街にある旗竿敷地。5分歩くと田園風景になる、農村と郊外の間のようなエリアが特徴的だ。旗竿という立地を最大限に活かし、光や風のとり入れ方、プライベートとオープンな空間の設け方を工夫した。

建築面積は敷地の40%程度にとどめ、余白を設けることを意識している。家の中や庭にとどまれる場所をところどころに設け、夫婦でも家族でも、ほどよい距離感で自分の時間が過ごせるよう設計。窓際のベンチ、半間の部屋、2階ののぞき穴、廻り階段では、思い思いに時間を過ごしている。

また、幼少期、青年期、子育て終了後で部屋の使い方を変えて、最小限の部屋数と面積になるよう計画をすることで、シンプルな平面計画になっている。

暮らしの変化に適応して住みこなす、必要十分な家を目指す。

・住宅+仕事場

設計:高橋沙耶 / saya architecture

主要用途:個人住宅+仕事場

構造設計:鈴木一希

​施工:榊住建

構造:木造2階建て

建築面積:50.51m2 (建ペイ率 38%)

延床面積:80.93m2 (容積率 61%)

各階床面積:1階 49.65m2、2階 31.32m2

写真:Hayato Kurobe